■もうひとつの究極のカタチ■

ロマンシングサ・ガ3をやっている。
「今時?」と思われるだろうが、好きなんだからしょうがない。スーパーファミコン(中古)を誕生日にもらい、同時に購入したのがこれ(中古)。1996年の話だ。
それ以前、最後にゲーム機に触ったのが「高橋名人の冒険島」(若いコは知らないよなぁ…)の頃であったから、SFの画像を見てまず感動したのだ。「随分キレイになってるなぁ」と。既に時代は32ビット機だったというのに(この遅れ方が老化の始まりなのか)。それはともかく。色数、音、演出(8ビット比)。どれを見ても感動する(これが刷り込みというものだったのだな、と今となっては思うのだが)。

一度目のクリアーに何週間費やしただろう。クリアタイムは50時間弱。パーティは最強に強まった状態。なにしろ取説しかなかったので何度もゲームオーバーになっているのだ。
「素人には不親切」「ラスボス強すぎ」
それがファーストプレイの感想だった。これみよがしにドラマチックな展開があるわけでもなく、「伝説の勇者様」と崇められるわけでもなく。ってか、こんなに金にこだわる主人公って…(ハリードを選んだ私が悪いのか。そうか…)。

その後、殆ど間を置かずにセガサターン(以下SS)を購入。とあるRPGをプレイする。いわゆる一本道RPGだ。謎というほどのものは存在しない。攻略本など買わずとも、サクサク進む。普通にプレイしていれば、中ボスはちゃんと倒せるレベルになっている。
ふと、もの悲しくなる。
「RPGとは、こういうものだっただろうか」
ゲーム内における自分の位置が、単に主人公を動かすというだけのモノ。ムービーを進行させるためにボタンを押す、ただそれだけの存在。
ロマサガ3をプレイする。主人公を変えて。
新しい発見がある。二度目のクリアー。

毛色を変えて競馬シミュレーションを購入(SF、中古)。これは結構長く続いた。うちの仔が凱旋門を取って満足する。
ロマサガ3をプレイする。
まだ知らないことが残っていた。三度目のクリアー。

RPGの元祖を思い出す。元祖の5作目。一本道なりに元祖の良さ。
勇者気分に浸りつつEDを迎える。
またロマサガ3に戻ってくる。ダンジョンは頭に叩き込まれている。それでもまだ知らないことが残っている。四度目のクリアー。

そんなこんなの内にプレイステーション(以下PS)でサガの最新作が発売されるという。「サガフロンティア」発売と同時にPSを購入。
ロマサガ3との相違点は、連携というシステムが加わり陣形がなくなったこと。ラスボスが主人公によって違うこと。一本のストーリーが短いこと。
大きく違うのはこの程度。でも実はそんなことはどうでもよくて、私にとって何より嬉しかったのは「不親切さ」が変わっていないことなのだ。
特にリュート。目的意識の希薄な風来坊。
「何したらいいのかまるでわからんわ!」
と叫びながら顔はしっかりニヤけているのだ。なぜなら何をしたらいいのか迷うという状態は「自由であること」と同義であるから。何処でも行ける。何でもできる。仲間にするもしないも自分の心ひとつ。仲間をイベントで殺されたりしない。ああ、自由だ。

以来、種々のゲームをはさみながらロマサガ3とサガフロを行ったり来たりのゲームライフが続いている。
故郷ソフトとはこういうことなのだな、と噛み締めながら。
てなこと云ってたら、サガフロ2が四月一日に発売だそうで。しかも主人公継承システムの復活を思わせる情報もちらほら。術の使えない主人公?いかにも私好み。オレのパーティで竜鱗の剣使うのは大抵ブルーかルージュやっちゅーねん。ひょーほほ。

高笑いしながらサガフロ2の発売を待ち侘びている今日この頃なのだ。

もうひとつの究極のカタチ・了 02/1999

Tips

高橋名人の冒険島(FC):1986年ハドソン。某アクションゲームのパチモンでク○ゲーとの呼び声も高い。
32ビット機:次世代機と呼ばれたセガ・ソニーの2機種。我が家では両方現役稼動中。
伝説の勇者様:後述の「RPGの元祖」の主人公。と云っても、本当の元祖は洋ゲーなのだが。ま、「日本RPGの元祖」っちゅーことやね。
ハリード:ロマンシングサ・ガ3の主人公の一人。彼のおかげでワタシの人生が変わったと云っても過言ではない。
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