■恋は盲目■

しんたろーが試験勉強に突入する際(本当に勉強してたかは知らん)、「試験終わるまでは遊べないから、これ、預かってて」そう云って渡されたのが「スターオーシャンセカンドストーリー」だ。いまだに熱い支持をうける大作RPG。でも、いわゆる私の苦手とする一本道。
「おもしろいから。やることいっぱいあって、一本道とか気にならないって。堀川出てるし」
その時特にプレイしているゲームもないのでとりあえずやってみることにする。

これは云い変えるなら連れに「彼氏いないなら友達紹介するわ」と云われる状況に似ている。連れは『友達』の良い部分ばかりを教えてくれる。
「おもしろい人だよ。色んな趣味持ってるし、顔も中の上くらい。有名大学出てるし」
(あたしゃ面喰いなのにな)と思いつつも彼氏と呼ぶような奴もいないので、とりあえず付き合ってみることにする。

いきなりストレスの連続。強制イベントはともかく科白の表示速度がトロくさい。しかも飛ばせない。どうでもいいような科白まで飛ばせないとなるともう苦痛でしかない。まぁこれがこのソフトの伝統なのかととりあえず気を落ち着ける。

交際で云うなら、話の内容はともかくしゃべりがトロい。どーでもいいようなことをダラダラダラダラひたすらしゃべる。こっちのしゃべりなど気にせず自分だけがしゃべりまくる。しかしまあ付き合い始めて間もないし、そのうち馴れるかと気を静める。

そして戦闘シーン。ターゲッティングセミオートでやってたんだが、思ったところに走ってくれない。変に遠回りしたり他のキャラが走行妨害してきたり。かといってマニュアルでやるのはメンドくさい。

これまたドライブへ行くとする。「どこに行きたい?」と訊かれて「海」などとかわいらしく云ってみる。走り出したはいいが道に迷い、挙げ句の果ては着いた場所が「漁港」という感じ。「なんで彼氏とイカ釣り漁船眺めなあかんねん!!」と思ったりもするが、自分で運転するほど虚しいものはない。

フィールド及び街の移動。変なひっかかりがある。冷静に考えて何もないような所で進めなかったりする。「もうちょっとスムーズに動けんのか?進めないなら避けて通る、とかさ」とイライラしつつも、「オレがこのゲームのキー操作に馴れてないせいかも」と思い返す。

これは食べ物の好みの違いに似ている。「何故私の前で納豆を喰う?そんなん家で喰えばええやん」と思ったりしても、「育った環境が違うしな」と思い返す。

ボイスコレクションとかカスタマイズとかオーケストラとかマシーナリーとか細工とか、確かにやることは多い。多いんだけれども、深くハマる程のものではない。

云うなれば(ここまで来ればもうお解りでしょうが)、多趣味な人だ。読書もスキーもダイビングも旅行もゲームもアニメもインタネもパチンコも競馬も、色んなものをひととおりこなす。しかし没入する程の趣味は持っていなくて底が浅い。どれもが中途半端に感じる。

初めは好きでも嫌いでもなかったんだよ。でも、何かひとつひっかかる部分が見えてしまうと、ついアラ探しをしてしまう。きっと良い所もたくさんあるハズなのに、何もかもが厭になってくる。総合して「嫌いなんだよ、テメーがよ」ということになって、そして結局この科白を云うのよ。
「やっぱりあなたとは付き合えない」

そんな訳でスタオーは終わらせてません。ごめんよ、しんたろー。
このゲームが好きな人は、全てのアラを含めて(当人はアラとは思ってないはずだが)「好きだ」と感じてるんでしょうね。痘痕も靨ってヤツですか。

恋は盲目・了 04/1999

Tips

強制イベント:この頃、やたらムービーが入るゲームが増えた。FF7の影響であろうか。美しい画像で滑らかに演出されれば確かにある種の感動はあるかもしれないが、画像が実写撮り込みで美しいほど、ムービーが多いほど良いRPGだと考えるのは、愚かだ。

ボイスコレクション:確かに堀川亮さんは大好きですが。言葉の断片を聞いても仕様が無いんじゃないかと思った機能でした。

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