■試練の道■

 久し振りに起動してみた「風来のシレン」である。
世間ではちょっと太目の商人が冒険活劇を繰り広げているこんな時期だからこそ(笑)
大概予想はつくだろうがクリアしていない。
SFを買った直後くらいに、中古ソフト屋の主に強く勧められて購入し、少しプレイした後に「こんな思考型のアクション嫌いだぁっ!」と投げ出しっぱなしであったから、かれこれ三年は触っていなかったのだろうか。
その間に、私は「チョコボの不思議なダンジョン」をプレイした。購入者は典型的ライトユーザーの姉である。
なんというか、「シレン」との格差がありすぎる。
おそらくは発売元の違いに起因するものであろうが、ヌルすぎる。スクウェアであるがゆえに、対象ユーザーが低年齢層、もしくはライトユーザーになる。それは仕方の無い事である。
装備武器はなくならないレベルはそのまま、ダンジョンから村に送った物は全て識別済み、といったこれらの事象は、云い換えるならば「親切設計」ということだ。悪い事では、もちろんない。
初めてのプレイでも、つまずくことなく先へ進める事。
これが悪いことだと云ってしまったら、現行のゲームの殆どが立ち行かないのだから、良い事だ、と言い切ってしまおうか。ラストダンジョンは1000階まである。いくらでも進める。が。途中で飽きた。
チョコボに飽きたのも随分前の事だ。かれこれ二年にもなろうか。
そうして、三年ぶりの「シレン」である。
やっぱりキビしい。
まさに「試練」である。
だが、ワタシのゲーマーとしての腕は、三年前とはちょっと違う。多少なりとも上達しているのだ。
「よし、やるぞ!」と気合いを入れて、画面に向かう。
もちろんSF本体に足が当たらないように細心の注意を払いながらだ(笑)。
開始直後の「フェイの問題」でアメジストの腕輪をもらい、酒場で大きいおにぎりをもらい、いざ、冒険へ。
 出発して、十歩ほど歩いた時。
「よーぉ、しゃしゃしゃ、しゃしゃしゃ、しゃしゃしゃんしゃん」
レベルアップの音である。
・・・・・・?まだ一匹もモンスター倒してないのに・・・・・・。
も、もしやっ!!
高鳴る胸を抑えながら、一歩歩き、経験値を確認する。
1ポイント、増えている。
間違いない。これは「しあわせの腕輪」だ!
うしゃしゃしゃしゃ。これさえあれば恐れるものは何もないっ!パコレプキンだろうが火炎入道だろうがどーんと来いっ!

この喜びが、伝わるだろうか?
一歩一歩が着実に経験値として加算されていく喜び。
足踏みしてモンスターの到来を待たずとも、歩くだけでレベルアップしていくのだ。お腹が空く。だが、お腹の減り具合も確実に経験値となり、身になっているのだ。
ああ、しあわせの腕輪バンザイ。

 と、喜んでいるのも束の間。
進むほどにモンスターのレベルも上がっていく。
そのころにはこっちはかなりの経験値を貯めない事にはレベルアップしない状況が訪れている。 更に、不思議なダンジョンにはエゲツないものが存在する。
そう、それはモンスターハウス。
小部屋がモンスターハウスだったならまだ逃げ道があるのだが、一階丸ごと大部屋で、しかもモンスターハウスだった場合。真空切りの巻物(もしくは白紙)があれば全くもって平気だが、そううまくは行かないのが人生というもの。おびただしい数のモンスターにあっという間にたたきのめされ、気が付けば渓谷の宿場(スタート地点)。アイテムは無くなり、レベルは1である。
 これが泣かずにいられようか。
幸せの腕輪は店にしかおいていないのだ。10000ギタンもするのにそんなもん買えるかってんだ、チキショウ。

 てなわけで、コピーしておいた冒険の記録で再挑戦の日々。
幸せの腕輪は装備せず、預かり場に置いておきます。
まずは武器を鍛えねば。
山頂の宿場まではひたすらがんばる。
武器を集めて、合成して、鍛えて。
最強の武器が出来上がった時、それがテーブルマウンテンへの挑戦の時。

っていうか、それが遥か彼方なんですよ・・・(苦笑)。

試練の道・了 04/November/1999

Tips

ちょっと太目の商人:ドラクエ4では導かれし者にして、不思議のダンジョンシリーズ一作目の主人公。かなりの愛妻家。

チョコボの不思議なダンジョン:並べて書いてはいるが、チュンソフトの「不思議のダンジョン」シリーズとはゲームシステムは似ているが全く関係ない。

装備武器はなくならない:しかも金さえ出せば合成できる。

レベルはそのまま:厳密にはレベルが1だけ下がるのだが、次回ダンジョンに入った時、経験値が1入れば元に戻る。

識別済み:テレポカードで地上に出た途端に全て識別済み。識別のカードは必要ないと云っても過言ではない。

フェイの問題:ダンジョンの切り抜け方の練習。1つクリアするとご褒美が貰える。かなり貴重なアイテムをくれるので、冒険のたびにやるのが吉。

しあわせの腕輪:ドラクエで云う「しあわせの靴」。一歩歩くごとに経験値が1入る。ドラクエでは入手できるのが主人公がある程度強くなってからなので、今イチ有難味を感じたことが無いのだが。

パコレプキン・火炎入道:序盤の敵なのだが、私はかなり悩まされている。対策は考えていても、そうそうちょうど良いアイテムを持ち合わせているわけもなく。

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