■カーテン■

 その生涯に幕を降ろそうとしている。
 我が家のプレステのことだが。
 確かに彼、「文殊」(高速増殖炉ではない)は、苛酷な労働を強いられてきた。一週間連続労働とか、平気でやらせていた。居住環境も悪い。空気の通りの無い、「キャスター付き三段収納ケース」の中に収まっているような有り様だ。夏場はさぞかし熱が篭っていたことだろう。
 おかげで最近、RPG・シミュレーションの類を起動してくれないのだ。サッパリ立ち上がらない。運良く立ち上がっても、マップの読み込みにエラく時間がかかったりだとか、戦闘が終わって 「さぁフィールドに切り替え」というところでフリーズしたりだとか。
 サガフロ2終わらせらんねーじゃねぇかっ!うがーーーっっ!!(一応終わらせる意志はある)
 今更買い換えるのもアレだし、まだ完全に死んだ訳ではない(ビーマニだけはちゃんと起動してくれるんだよねぇ。なんで?)のでPS2の発売を待つ事にしたのだが。
 ふと、思うわけだ。PS所有者の友人は多くいるが、その大半が二代目のPSを購入している。 つまり、一台は寿命だかなんだかで南無阿弥陀仏だ。平均寿命はどうやら1〜2年に集中している。ビデオなんかは「1〜2年で壊れるように作ってある」と良く云われるが、どうやらPSもそうらしい。そう考えないと、この平均寿命は腑に落ちないのだ。ねぇ、実はそうなんでしょ。最初からそういうプログラミングしてあるんでしょ、SCEさん?ってな具合に疑いたくなるのが人情ってもんだろう。ってか、みんなそう思ってるでしょう?
 なにしろ、同じ条件下のサターン、「普賢」は、ちゃんと動いているのだ。文殊より先に買ったのに。そりゃあ触っている時間は無論文殊の方が長いけれども、普賢だって電源は入りっぱなしなのだ(そのプレイ姿勢をまず改めろ)。それでも起動できない、読み込めない、なんてことはかつて無い。全く以って正常に動作している。
 ちなみにスーファミ、「釈尊」(位置付けが一番上な辺りがワタシらしいと云える)は、以前書いた通り、いつ飛ぶかとヒヤヒヤしながらプレイしている。
 さて、PSの話に戻そう。
 PS本体は、良く売れている。手元に資料が無いので正確な数字は分からないが、世界中で4000万台だかの出荷をしている。日本国内においても、未だに週15000台の販売台数が出ている(ファミ通より)。この数字が何を意味するか。新規ユーザー?いやいや、国内で新規ユーザーなどそうそういるだろうか?いや、いまい(反語だ)。ライトユーザーの開拓は、もう散々やってきたのだ。FFZやらチョコボやらビーマニやらどこいつやらバイオやらで、そりゃもう散々。国内でのPSの普及はほぼ完了した。ここまでにユーザー参加していない一般ピーポー(古……)は、今後も購入しないものと考えていいからだ。すなわちこの15000という数字の殆どは、
「あぁぁぁ、PSがお隠れになったぁぁっ!だがPS2の発売を待つ程俺ァ気が長かァねーんだっ!とっととエンディング見てぇんだよっ!まっ、折角安くなったことだし、更にデュアルショックコントローラもついててお買い得だよなっ!新しいPS買うかぁっ!ハハハッ(大団円)」
 ってなカンジで再購入した方々の数なのだ。しかもハードユーザーなら三台目四台目。コレクターならマイナーチェンジの度に。国内での普及台数は1000万台程であっただろうか。この内の、一体どれだけが再購入であることか。
 PSの寿命というヤツは、SCEが最初から仕組んでいる陰謀なのだ(暴言)。いやしかし、こうして金が回ってやがて景気回復に繋がっていくのであれば、致し方ないと云わねばならないのか。そうか、マニアというヤツはかなりの比率で景気回復に貢献しているのだな。うーん、じゃあ景気回復のためにオレもPS2の発売を待たずに二代目「文殊」を購入するべきなのだろうか……、いやいやいやいや、オレは今そんなことに散財している場合じゃ……。

カーテン・了 19/November/1999

Tips

PS2:結局PS2はまだ買ってなくて(2002年3月)、しかも2000年末、実家用にPS−Oneを購入していたりする……。

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