正義って何だろう。英雄って何だろう。勇者って何だろう。

　先日、某オンラインＲＰＧにハマっている友人からのＩＣＱメッセージで、「只今動物虐待しております」と云うのがあった。無論ゲーム中だったのである。このゲームは、一部の動物と人間以外は虐殺しても良い事になっている。もし虐殺してはいけない動物（家畜など）や人間を殺したり、盗みを働いたりすると、自分を表す名前が次第に灰色になっていき、自分自身が他のプレーヤーに「虐殺しても良い人間」と見倣されることになる。
　それでいいのか、本当に？
　殺しても良い者と殺してはいけない者、という境界があるのはイタダケない。モンスターなら殺しても良い、という道理も成り立たない。だが悲しいかな、そこら中に溢れているＲＰＧは、「殺しても良い」「殺してはいけない」という図式で出来ている。
　それでいいのか、否、いけないだろう勇者様。
　更に云うならば、某有名ＲＰＧなど、勝手に人の家に上がりこんで箪笥だのなんだのを開けてアイテムを持ち去ったりするけれども、勇者様である以上、盗みはいけない。何故ならば勇者様なんだから。
　仮令洞窟に落ちている宝箱だって、きっと誰かのモノなのだ。勝手に開けて持ち去ってはいけないだろう。勇者様なんだから。

　そんなわけで、自ら勇者を標榜する場合は、家捜ししない、宝箱を勝手に開けない、無駄な殺生はしないということを徹底しなければならない。それが崇め奉られるべき勇者様の正しい姿だ。
　さて、この「正しい」スタイルを、ロマサガ３の場合で試してみよう。まずアイテム入手は「イベントで」「モンスターが落としていく物」「開発する」「購入する」と云うよっつのパターンがある。宝箱を開けられない為、強力な武器・防具と云うのはほぼ手に入らない。「宝箱を開けない」という枷を自らに嵌めてしまった時点で、聖王遺物のいくつかは入手できない事になる。聖王廟の試練をクリアしても、その先にあるアイテムは宝箱に入っている。従って、聖王ブーツ、妖精の弓、聖王の兜は入手不可。ああ、貴重な効果有りアイテムよさらば。資金は防具に廻していきたいので、攻撃は体術が良いだろう。普段の「正しくない」プレイなら仲間にしたキャラからアイテムだけ剥いで外す、という手法もとるが、「正しい」勇者像からはかけ離れてしまうため、これも好ましくない。最終まで使うキャラに関してのみ、アイテムの交換をしても良い事にする。勇者様は、殺生も控えなければいけない。無駄にして良い生命などありえないのだ。こちらから攻撃はしないが、攻撃されれば瞬殺する。それは正当防衛というものだ。もしアイテムや金品を落としていった場合は、形見として、大事に使わせて頂こう。世界平和の為に。
　では、「勇者様パーティ」に相応しいキャラクターを選出していこう。主人公は無論ハリードである。勇者様像から一番かけ離れたところに位置するキャラだが、それを勇者様にするから意味があるのだ。実際の所は単にワタシが好きだから、というだけなのだが、そこはそれ、膏薬と小理屈はどこにでも付くものなのである。
　脇を固めるキャラには、まず怪傑ロビンが筆頭であろう。なにしろ正義のヒーローだ。彼を使わないわけにはいかない。ＦＡＴロビンでは美しさがやや落ちるため、見た目重視で本物ロビンを選択することにする。
　それからユリアンも必要だろう。普通のＲＰＧなら、いわゆる主人公っぽい正義漢である。女に弱くて優柔不断だが、それもまあご愛嬌というところか。仲間にするために多少時間がかかるが、仕方ないと割り切ろう。
　あとは……シャール。銀の手が無い事にはどうにも役に立たないが、（銀の手はイベント内の宝箱に入っている防具。シャールに装備させると、負傷して落ちた腕力を回復させてくれる）一人の女性を護り続けるその姿勢が気に入った。銀の手なぞ要らぬ。術だけで戦え。エアスラッシュでどこまで戦えるか見物じゃ。
　さて、最終的に使うのはこのくらいか。ミカエルは正義の人じゃないし。ウォードもなんだか違うし。道程は色々な人にお世話になるとして。

　とかなんとか考えているうちにダラダラと長くなってしまったので、ここらでひとまず切る事に致しましょう。
　くだらない話のクセに、続く。

「正しい」勇者様・続く　23/May/2000