三年戦争の終焉

 その戦いは、長く膠着状態にあった。
 1305年初夏、ボルス軍と連合北方軍との衝突から戦端が開かれ、偽ギュスターヴ軍と連合西方軍との決戦、連合南方軍の到着による戦況の決着までをサウスマウンドトップの戦いと呼称する。
 少なくとも1305年中には終わっていたと伝えられるこの戦い。実際には三年以上に及んでいたと云うことが歴史上で語られることは無い。
 ボルス軍が北方軍に追撃をかけたとの報が入ってから一ヶ月。
 偽ギュスターヴ軍と連合西方軍の間に幾度かの会戦が行われ、その度に数多のアニマが自然に還った。
 撤退を赦されない戦いであるがゆえに、無益な血が流れ、更に新たな兵士を募り、そして血が流れた……。
 そうして膠着が訪れる。
 両者の睨み合いは三年の長きに及んだ。

 やがて決戦の火蓋が切って落とされ、戦略上での敗北を覆すに到る。
 そしてラウプホルツ軍が到着し、サウスマウンドトップの戦いは終結したのである。



 つまり。漸くギュス編のエンディングを見たんである。
 はー、長かった。ホントに長かった。
 ま、膠着状態になってた、と云うのは単に「サガフロ2をやってなかった」だけのことなんだが。

 ええ、やってませんでしたとも。

 と云うのも、PSがお隠れ寸前になっていた所為である。(詳しくは14 カーテン参照)
 ところが最近久し振りにドラクエ7を起動してみたら案外順調に文殊が動いてくれたので、しかもアンリミテッド:サガの詳細が分かり始めたので、いい加減サガフロ2を終わらせる気になったのである。

 ウィル編については現在進行形でプレイ日記に書いているので割愛して、今回はSMTについて。
 ギュス編のラストシナリオと云うこともあって、ホンマに難しかった。
 今回クリアしてみて、解法は分かった。このターンにここにいれば確実にクリアできる、と云うポイントがある。ただし、ポイントに辿り着くために、運の要素が大きく絡む。
 1〜3ターンの間に遊撃兵を極力倒す、と云うのは攻略本等で書かれていることだが、1ターン目の味方の動かし方は決まっている。1ターン目の敵の動きも決まっている。だが、敵の攻撃方法は一定ではないし、陣形も一定ではない。陣形によっては敵が草伏せを使ってくると先手を取られ、しかもスタンさせられて、退却の憂き目を見ることになる。スタンさせられた上にブッシュファイアやフレイムナーガを使われた場合、退却どころか全滅の危機である。敵の学習度が低ければ使ってこない技もあるが、あいにく散々戦闘を重ねて来てしまったのだ。
 それまでに戦闘を重ねず、敵の学習度を上げない、と云うのは戦略かもしれない。
 だが、SMTのクリア自体ははっきり云って戦術よりも運が重視されている。
 運さえ良ければ、3ターンでクリアすることもできる。
 そんなのって……萎え萎え。

 ロマサガ3のマスコンは好きだった。戦法や陣形の入手はランダムだったし兵士の数もほとんど決められてはいたが、戦術次第で解法がいくつもあった。ファルス対スタンレーの戦いも、戦術次第でファルスを撃破できた。確かに運の要素も絡んでいたが、もっと自由に「運を呼び込めた」。
 自由であることがサ・ガのサ・ガたる由縁であって、定められた解法を辿ってしかも運次第、では、他のRPGをやっても変わらないのではないだろうか。

 サガフロ2からは、音楽も変わっている。キャラクターのグラフィックも大きく変わった。
 06 シリーズ物の進化でも述べた通り、根底に流れるものは変わっていない、それは今でもそう思う。だが、当時よりもプレイを進めてみて、思っていた以上の自由度の低さがツラい。
 アイテムを自由に売れないことがツラい。好きな時に好きな所に行けないことがツラい。パーティメンバーを固定できないことがツラい。イトケンサウンドじゃないことがツラい。
 システム上仕方の無いこともある。云ってもどうしようもないこともある。
 根底に流れるものは変わっていないけれども、それでも、私が愛したサ・ガとは何かが違う。
 ロマサガ3は、ツラいことが楽しかった。何をすればいいのかわからないことが楽しかった。敵がどうしようもなく強すぎて辛くて辛くて仕方ないことが楽しかった。
 一気にクリアする意欲、やり込む気力が湧いて来ないのは、サガフロ2の「辛さの方向性」が私の求めるモノと違っていた所為なんだな、と、そんなことを思った。

 アンリミテッド:サガの「辛さの方向性」が、私の体に合っていますように。

三年戦争の終焉・了 26/July/2002

Tips

サガフロ2:(PS)1999年、SQUARE。FFと対極を成すスクウェアのRPGシリーズ第5作(GBでのシリーズは除く)。自由度が高すぎて初心者にとっては難易度も高い、と云うのが売りだったのだが……。

アンリミテッド:サガ:(PS2)2002年12月リリース予定、SQUARE。3年振りのシリーズ第6作。キャッチコピーは「伝説のRPG、復活」。復活と云うよりも、まるっきり新しいゲームなんじゃないか、と云う一抹の不安。杞憂に終わってくれればいいんだが、シリーズ初の「登場人物」に声がつく、っつー辺りが、更に不安を拡大させてくれる。

SMT:サウスマウンドトップの略。このタクティクスバトルを延々やり込む方もいる。SMTを3ターンで終わらせる、退却を失敗させるのではなくきっちり倒す、など。それも結局運次第なので、私にはやる気が起きません。

ブッシュファイアやフレイムナーガ:範囲攻撃。フレイムナーガは単体攻撃技だが、陣形によっては周りの者まで巻き込まれる。一回のダメージが味方ユニットのHPを越えるため、喰らったらまず間違いなく戦闘不能。

敵の学習度:サガフロから導入された、んだと思う。パーティの戦い方に拠って、敵の攻撃方法が変わる、と云うシステム。例えばこっちが全体攻撃ばっかり使ってたら、全体攻撃技を持っている敵はほぼ確実に全体攻撃を使うようになる。

ファルス対スタンレー:兵士数ファルス4000対スタンレー2500と云う圧倒的戦略差のマスコンバット。どちらかの傭兵として参加するのだが、不利な分当然スタンレーの方が報酬額が高い。真っ先に指揮官を倒せれば、数の上で不利でもどうにか五分の戦いに持ち込める。指揮官を倒せるかどうかは運次第だが、その後は実力次第。

イトケンサウンド:サ・ガシリーズのサウンドを担ってきた伊藤賢治氏。何時の間にやら四角社を辞めちゃったらしい……(涙)

inserted by FC2 system